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help リーダーに追加 RSS シナリオ『フウフのチカラ』(4)

<<   作成日時 : 2008/08/12 13:41   >>

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オリジナルシナリオ『フウフのチカラ』第4話
通販で購入したドリンク剤『フウフのチカラ』を飲んだ大島と
裕子は、お互いの体が入れ替わってしまう。仕方なく裕子は、
大島の会社に出勤。得意の英会話で商談を成立させ、はじめての
飲み会で泥酔。部下の麻衣に朝まで介抱される裕子を激怒する
大島だが、風邪でダウン。大島を看病する裕子は、「戻れなくても、
私たちは夫婦のままだよ」と話す。二人の元へ現れた麻衣は
上司・中川の子どもを妊娠してしまったことを告白。

登場人物
大島剛(32)サラリーマン
大島裕子(26)大島の妻
相沢麻衣(24)大島の部下
中川達郎(40)大島の上司
女性薬剤師
女子社員

○白鳥団地 外観 (朝)

○同 リビング・中 (朝)
   ソファーで眠っている麻衣、目を覚まして、キッチンの方を覗く。
   エプロン姿の大島、食卓に整えられた朝食。

○同 キッチン・中 (朝)
   食卓に向かい合って座る麻衣と大島。
大島「朝食済んだら、病院にいってちゃんと診てもらおう。私がついて
 いってあげるから」
麻衣「本当ですか」
裕子の声「ちゃんと子供は始末してきなさい」
   振り向く麻衣、パジャマ姿の裕子。
麻衣「す、すみません。奥様」
裕子「きっと中川部長だってそういうと思うから。まだ、君は若い。
 やり直しはいくらでもきく」
大島「だからって、子供の命を粗末していいわけじゃない」
裕子「裕子!」
大島「部長さんのこと、愛してたんでしょ。だったら麻衣さん、産んで、
 赤ちゃん。私が一人で育てるから」
麻衣「あ、あの・・・」
   戸惑う麻衣。
裕子「他人の子供なんて、簡単に育てられるもんじゃない」
大島「あなたは口出ししないで。言ったでしょ、私が一人で育てるって」
裕子「どういう意味だよ」
大島「だから、あなたと離婚して私一人で子供を育てるのよ」
裕子「冗談じゃない!」
麻衣「待ってください。奥様も大島主任も。私のことでケンカしないで
 ください。ご迷惑おかけしてすみませんでした」
   部屋を飛び出していく麻衣。
大島「相沢さん!」
   追いかけようとする大島の腕を掴む裕子。
大島「なんで止めるの。相沢さんはあなたの部下でしょ。心配じゃないの?」
裕子「これ以上かかわったら、余計ややこしくなる」
大島「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。彼女のお腹には、小さな命が
 宿ってるのよ」
裕子「・・・・」
大島「捜してくる」
   腕ふりきってでていく大島。
   立ち尽くす裕子。

○(回想)土手
   T・八年前
   草むらに制服姿で座る裕子(18)、隣に大島(24)、Yシャツに
   ネクタイ姿。
裕子「剛君・・・私・・・できちゃった・・・」
大島「できたって?」
裕子「赤ちゃん。剛君の先輩。この前、結婚した」
大島「付き合ってたのか。あいつと」
   頷く裕子。
大島「なんで、もっと早く言わないんだよ」
裕子「言ったらなんとかなった? 彼の結婚やめさせてくれた?」
大島「今からでも、そうさせたいよ」
裕子「明日、病院に行ってくる。それで、何もなかったことにする」
大島「裕子ちゃん・・・ほんとに、それでいいの?」
   頷く裕子。
裕子「剛君は心配しないで」
   川面見つめる裕子の横顔みる大島。

○元の白鳥団地内 公園・中 (朝)
   走ってくる麻衣、肩で息をする。
   小さな子供連れの母親や妊婦が居る穏やかな光景。
大島の声「相沢さん!」
   追いつく大島、麻衣の肩に手を伸ばす。
麻衣「優しくしないで。後悔するから」
大島「後悔?」
麻衣「中川部長なんかじゃなくて、大島主任みたいな人を好きに
 なればよかったって」
大島「相沢さん・・・」  
   ふるえる麻衣の肩をそっと抱く大島。

○寿クリニック 外観 (夕)
   
○同 待合室・中 (夕) 
   椅子に座っている大島。
   診察室の中から出てくる麻衣。
大島「どうだった?」
麻衣「十週目に入ったとこ」
大島「赤ちゃんは? 問題ない?」
   コクンと頷く麻衣を座らせる大島。
   前の席に大きなお腹の妊婦。
   気遣いながら、夫が楽しそうに子供の話をしている。
   黙ってみつめる麻衣と大島。
女性薬剤師の声「相沢さん、相沢麻衣さんお薬でてますよ」
   立ち上がる麻衣に、
大島「もらってくるから、座ってて」
   歩き出す大島の背中みつめる麻衣。

○同 受付・前 (夕)
   差し出された薬袋、受け取って、
大島「あの、これは何の?」
女性薬剤師「貧血の薬です」
大島「ひどいんですか」
女性薬剤師「そうですね。まだ妊娠初期の段階ですから十分気を
 つけていただかないと、流産の危険性もあります」
大島「わかりました」
   振り向く大島、座っている不安そうな麻衣の横顔を見つめる。

○白鳥団地 全景(夜)

○同 リビング・中(夜)
   ソファーをベッドにして寝ている麻衣。

○同 キッチン・中(夜)
   エプロン姿で料理する大島。
   後ろに立つ裕子。
裕子「どうするつもりなんだ? 彼女」
大島「しばらく落ち着くまで、面倒みようと思うの」
裕子「まだ疑ってる? 相沢さんのお腹の子供が、俺の子だって」
大島「ううん。そうじゃないけど」
裕子「だったら、どうして」
   丁寧にジャガイモの皮をむきながら、
大島「思い出してたの。昔のこと」
裕子「昔?」
大島「八年前。自分の子供じゃないのに、あなたがお腹の
 子供の父親になるとか言いだして・・・」
裕子「でも結局、僕は君に、子供を産ませられなかった」
大島「あれはあれでよかったの。産んじゃいけない子供だったから」
裕子「産んじゃいけない子供なんていないよ」
   自分の言葉にハッとする裕子。
   微笑んでジャガイモを切る大島。
大島「じゃ、きっと罰が当たったんだね。今、子供ができないのは
 神様が私に与えた罰」
裕子「そうやって、ずっと自分を責め続けているんだ」
   ひたすらジャガイモを切る大島を見つめる裕子、やるせない。

○同 リビング・中 (夜)
   眠っている麻衣の穏やかな顔。

○高島屋物産ビル 外観 (朝)

○同 屋上 (朝)
   向かい合って話す中川と大島。
中川「なんだい、話って」
大島「相沢麻衣のことです」
中川「・・・・」
大島「彼女、妊娠しています。部長の子供です」
中川「証拠はあるのかい?」
大島「DNA鑑定でもしますか」
中川「・・・・」
大島「今、うちのマンションで休んでいます。貧血が酷いんで、
 無理すると流産するかもしれないって言われました」
中川「自然淘汰された方がいいんじゃないかな」
   思いきり中川をなぐる大島。
中川「彼女に惚れてるのか」
大島「ふざけないで」
中川「・・・・」
大島「生まれようとしている命を守りたいだけです。ただ、
 それだけです」
中川「・・・・」
大島「彼女を応援してやりたいんです。一人で子供を産んで育て
 られるように」
中川「おせっかいだな」
大島「部長には迷惑かけません。彼女も納得しています」
中川「私に黙認しろと・・・」
大島「はい。それで、ひとつだけお願いがあります」
中川「お願い?」
大島「彼女が復帰できるまで、雇って欲しい人がいます」
中川「彼女の代わりが必要だってことか」
   やってくる裕子、お辞儀する。
中川「君は・・・」
裕子「裕子です。よろしくお願いします」
中川「それで、彼女のことが丸くおさまるならそうしよう」
大島「ありがとうございます」
   顔見合わせてにんまりする裕子と大島。
   歩き出す中川、振り向いて、
中川「麻衣のことをよろしく頼む」
   頭さげて立ち去る中川の後ろ姿みつめる大島と裕子。

○同 オフィス・中
   席に座ってぎこちなくキーボード打つ大島、やってくる裕子、
裕子「書類取ってきたよ」
   大島の不器用な指先に、
裕子「どいて。俺が打つから」
大島「うん」
   裕子に席を譲る大島。
   キーボード打ち始める裕子、早い。
大島「さすがだね」
   感心してみている大島、やってくる女子社員。
女子社員「すごいですね。主任と同じくらい早い」
裕子「なにか、用事?」  
女子社員「え、あ、はい、主任に」
裕子「だから、何?」
女子社員「いえ、主任にです」
大島「ああ。私に?」
女子社員「はい。この前の企画書のコンセプトを書き直すんですけど、
 何処を訂正すればいいですか」
大島「あ、・・・それは・・・」
   キーボード打ちながら、
裕子「訂正箇所、まとめておくから。後でメールするよ」
女子社員「え?」
大島「あ、妻に意見を聞いたから。それで・・・」
女子社員「ああ。そうだったんですか。女性向けの新アイテムには、
 やはり女性の意見を聞くべきですよね。さすが主任」
大島「そ、その通り(笑)」
   立ち去る女子社員、ため息つく大島。
裕子「そこ、プリントしたから。書類のコピーとって十部まとめて」
大島「あ、はい」
   見ている女子社員、首を傾げる。

第5話に続く

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